英語を学ぼう!と決意したら、どこから始めますか?

単語、文法、会話、リスニング・・・。やることがたくさんあって圧倒されるかもしれません。

「旅行英会話」ができるようになりたいなら、会話の練習だけすればいいのでしょうか?

英語は「~だけ」だと効率が上がらない

旅行英会話を目標に学習している人が、ひとまず「まずは旅行会話のフレーズを言えるように」と会話練習を行うのは良いことです。

「話したい」という目標に対しては、当然「話す」練習が必要になります。
練習を積むことで、少しずつ目標に近づく感覚が得られ、モチベーションをキープしやすいというメリットもあります。

ただし、旅行会話ができるようになりたいからと言って、いつまでも読み書きを避けている、など、偏った学習をしていると、結局上達のスピードが遅くなったり、思ったように英語が使えるようにならなかったりします。

さらに、実際に旅行に行った時に、覚えたフレーズで会話はできても、メニューやホテルの注意書きが読めないなどということになるかもしれません。

英語の4技能は、互いに影響を与えあうものです。

リスニングという「インプット」の能力を鍛えたい時には、同じインプットである「リーディング」によって入れる情報量を増やすことが効果を高めます。

また、リスニングと同じ、「音のコミュニケーション」である「スピーキング」の訓練をすることで、音の認識がしやすくなり、結果リスニングが上達することもあります。

また、リスニングと対角にある「ライティング」によって、聞こえたものを文字としてアウトプットすることで、聞こえているもの、聞こえていないものの線引きをして、レベルアップを図ることもできます。

4技能だけでなくコミュニケーションに必要な能力全てのバランスの取れた英語力

それを私はバランス英語と呼んでいます。

バランス英語とは?それを身につけるにはどうしたらいいのでしょうか?

あなたの英語は「でこぼこ英語」になっていませんか?

バランスのとれた英語について考える前に、今まで私が出会った「でこぼこ英語」を紹介します。

  • <知識と会話力のズレ>
    TOEICなどで高得点を取得しているのに、全く会話ができない。
  • <コミュニケーション力と基礎力のズレ>
    ブロークンな英語やジェスチャーで意思疎通ができるコミュニケーション力がある。ただ、正しい英語を使えるわけではないので、勘違いが起きたり、場面よっては失礼な言い方になることがある。
  • <知識と発音力のズレ>
    難しい文章を作ることができ、ライティングなら伝わるのに、発音の問題でスピーキングだと通じない。
  • <自然な英語と発音力のズレ>
    きれいな発音で話せているのに、日本語直訳の英語だったり、辞書に載っているけど使われていない英語だったりして、ネイティブには言いたい事が伝わらない。
  • <パターン英語のみ>
    自己紹介、旅行英語、など、決まった英語だけは完璧に暗記しているが、基礎力がないため、覚えた英語以外には対応できない。
  • <コミュニケーション力不足>
    仕事で使うなどしていて、専門的な英語を読んだり書いたりプレゼンをしたり、はできるのに、コミュニケーション力が足りず、日常会話など、会話のキャッチボールを楽しむことができない。

どれパターンも、良くできているところはあるのに、その良さを他のスキルを伸ばすことに活かしきれていないのがもったいないと感じていました。

自分なりの間違った癖がついてしまうと、なかなか修正が難しいものです。

足りないところにアプローチすれば、自分の弱いところに気付かない、もしくは弱いところは嫌いな分野ということで、結局よくできている部分だけが突出しがち。

例えば、ブロークンな英語での会話を楽しんでいる人は、文法学習は堅苦しくてやりたくないと敬遠してきたからブロークンになっていることが多いです。「通じる」ことに重きを置いているので、間違いを指摘されても余り響かないこともあります。
でも、やはりブロークンな英語では、いずれレベルが頭打ちしてしまいます。

バランス英語の観点からみると、長所は長所として大切にしつつ、弱い部分にもきちんとアプローチしていく必要があるのです。

バランスの取れた英語とは

では、バランスの取れた英語とは、どんな英語でしょうか。

私が考えるバランスの取れた英語力は、

単語力・文法力・発音力が同等のレベルで備わっており、それを読む、書く、話す、聞くの4技能で使えること。そして、円滑なコミュニケーションのための力があること。

よく、「何か一つでいいから得意なことを見つけるように」と言われたりします。
英語でも得意分野を持ち、ポジティブな気持ちで英語学習を行うのは大切です。
ただし、私は一つだけ極端に突出している、または極端にできない状態をずっと放置するのはだめだと感じています。

英語力についての記事にも書きましたが、それぞれの技能と言うのは、テーブルの脚のようなもの。
一つだけ高くて他が低いと、テーブルが傾いてしまいます。

英語が上達するということは、出来るだけ高くて大きいテーブルを作って、たくさんの物を載せられるようにすること。
テーブルの高さは正確さ、大きさは知識の幅、そして載せるものは話題やシチュエーション、と考えてみると、正確性を上げテーブルの脚の長くし、新たな情報を学んでテーブルの脚の位置を一歩遠くへ動かし、少しずつテーブルを成長させていくのです。

そのためには、どの脚が他より短くて、どの脚を遠くへ運ばないといけないかを見極める必要があります。

つまり、バランス英語を身につけるためには、自分の英語力を客観的に見つめる力も重要なのです。

バランス英語を身につけるためには

では、どうやってバランス英語を身につけたらいいのでしょうか。

基本的には、

  1. 強化すべき部分を見つける
  2. その部分を強化するためトレーニングを行う

ということにつきます。

では、各項目について、方法を見ていきましょう。

自分が強化すべき部分を見つける方法

英会話に通っている場合や、ネイティブスピーカーの友達がいるなど、客観的に英語力を判断できる人が周りにいる場合には、自分の強化すべきポイントを聞いてみるのも良いと思います。

それができない場合には、TOEICなどのテストで客観的に英語力を診断するというのも一つの手です。
TOEICは、リスニング、リーディングの得点だけでなく、文法、語彙、読解力など、細かく点数がわかれていますので、そちらを重視して弱点を見つけましょう。

英語を使ってみて、聞けない、読んで理解できない、となれば、それぞれリスニングが、リーディングが「苦手だな」と気づくと思います。
こうしてインプットの時点で難しいと感じる場合には強化すべきポイントを見つけやすいのですが、問題はリスニングやリーディングの「受け身のスキル」は得意な場合です。
「聞いたら分かる」「読んだら分かる」ものを、同じ様に「話せる・書ける」と錯覚してしまいがちだからです。

全く経験したことのないスポーツをプロの選手が簡単そうにやっていると、自分もできるのではないか、と思ってしまうような感覚です。実際に身体を動かしてみるとその難しさに気付くのですが、見ているだけだと、自分のできることと目指す動きの差がわからないことがあります。

リスニング・スピーキング・リーディング・ライティングの4技能というのは、「持っている英語力を使う手段」です。

根本的に足りない能力を鍛えた上で、4技能の中で使う時に苦労しているものはどれかを見極め、その対処をすることが大切です。

鍛える能力には、例えばこんなものがあります。

  • 単語、表現力
    単語の意味を理解できること、そして自分のアイディアを英語に変換できること
  • 文法力
    正しく意思疎通するためのルールを理解でき、使いこなせること
  • 構文力
    英語の語順で単語を組み立てられること、理解できること
  • 音声認識力
    正しく聞き取り認識できること
  • 発音力
    正しく発音できること
  • スタミナ
    ある程度英語を聞き続けたり読み続けたりしても、「もう嫌だ!」とならず集中し続けられること
  • 積極性
    コミュニケーションに対する意欲、参加する姿勢
  • 発信力
    自分の考えを相手にわかりやすく伝える力
  • 瞬発力
    瞬時に自分の持つ英語力を使いこなす力

一言で「リスニングが苦手」と言っても、音が聞き取れていない場合と、そもそも単語を知らなくて理解できていない場合では、対処法が異なります。
自分の英語力を客観的に観察してみましょう。

例えば単語力が足りなくてリスニングができないのであれば、単語を学び、文章の中での使われ方を確認し、さらにどう発音されているかを確認し(リスニング)、さらにそれを話す練習(スピーキング)をする。
リスニングとスピーキング、対角にあるトレーニングを一緒に行うことで、効率的なスキルアップが期待できたりするのです。

リスニングとスピーキングに関しては、英語力診断を自分で行うための無料レポートをご用意していますので、ぜひそちらも参考にしてみてください。

https://eng-polaris.com/present/

強化すべきポイントのトレーニングを行う

足りない部分がわかったら、それを補強するためのトレーニングを行いましょう。

ただし、一つのスキルを強化するための方法は一つではありません。
自分の生活スタイルや好き嫌いによって、たくさんのトレーニングの中からぴったりのものを選びましょう。

時には、嫌いだけどどうしてもやらなくてはいけないトレーニングも出てきたりします。
例えば、「書く」のが苦手な方がライティングの力をつけたいと思ったら、どこかの時点でやはり「書く」トレーニングを挟む必要があります。ただ、そういった時にも、できるだけ興味を持てる方法から試して、慣らしていくことをお勧めします。

英語で論文を書かなくてはいけなくてライティング力を高めたいとしたら、嫌いなライティングでいきなり自分の力で論文を書いてみるというのはハードルが高い。

「話すのが苦にならないのであれば、まずは論文と同じようにお題を決めて、ある程度の量の文章を組み立てる力を鍛えつつ、それを録音して確認」
「身の回りの書きやすいトピックについて、数行から書く練習をしてみる」
「お手本のエッセイをノートに全文書き写すトレーニングを行う」

など、レベルなどに合わせて、これならできそう、というアプローチから始めて、徐々にハードルを上げていくようにしましょう。

同じトレーニングを3ヶ月続けても手ごたえを感じない場合、自分に合っていない可能性があります。
そういう場合は別のトレーニングに切り替えましょう。

まとめ

私が、たくさんの人にバランス英語を身につけてもらいたい、と強く思ったのは、世の中に、簡単に英語を身につけられるかのような誤解を招く表現があふれていることに危機感を持ったから。

例えば、「たった3ヶ月でペラペラ」とか「聞くだけで英語が話せるようになる」とか言うのは、誤解を招く表現だなといつも思っています。

もちろん、ペラペラと聞いて思い描くレベルが、「辞書を使わないでどんな話題でもコミュニケーションを楽しめ、英語の本や映画などもある程度理解でき、インターネットの英語のサイトで情報収集できるなど、自分の世界が広がったと体感できるレベル」でなければ良いのです。
「日常英会話の限られた場面で、自信をもって受け答えができるレベルのペラペラ」であれば、3ヶ月死に物狂いで英語に時間を費やさなくても達成できると思いますが、果たしてそうだと伝わっているのか・・・。

私の願いは、コミュニケーションツールとしての英語を一人でも多くの人に身につけてもらうこと。

英語を苦手だと思っている人が「それだけ簡単ならやってみようかな」と、一歩踏み出すきっかけになるのであれば素晴らしいことです。
そして3ヶ月後、「思い描くペラペラにはなっていないけど楽しいから続けよう」となるのであれば、とても喜ばしいことです。

ただ、一方で、「やっぱりできなかった・・・」とがっかりする人がいたら・・・。

苦手意識を持っている人が、一歩踏み出すのは勇気のいることです。そして勇気を出して踏み出した一歩で前に進めなかったら、その次の一歩はもう踏み出せないかもしれない。

英語はやれば必ず上達します。そして、誰でも出来るようになります。

ただ、目指すレベルが「本当に英語を使いこなせるレベル」なのであれば、ある程度英語に取り組む時間が必要だという事実を知ってほしいと思うのです。

もちろん、学生時代の「テスト対策」や「受験科目」としての、退屈な英語として学ぶ必要は全くありません

大人になって英語を学ぶ最大のメリットは、自分が楽しい、続けられる、興味がある、と思える方法や教材を選んで学習できるということです。

楽しみながら、ある程度長い付き合いになると覚悟しつつ、日々の自分の上達を感じながら、英語学習を続けていく人が増えることを願い、バランス英語トレーナーとして活動しています。

そして私も一学習者として、今でも英語を続けています。
あなたは独りではありません。一緒に英語を楽しく学んでいきましょう!