概要

音読筆写とは、声に出しながら英文を速く書くトレーニングです。

1つの文に対して最低5回。ノートを用意して、1日1ページ(3~4文練習できるはずです)を続けると、3冊目を超える頃には劇的な変化がみられます。

トレーニングの効能

構文力・正確性アップ

音読筆写では、文章を丸ごと声に出して書き写します。何度も書くので、正しい文章の刷り込みができます。

自分の中に正しい英文がいくつもストックされていくと、自分が話したり書いたりする際にも、そのストックから正しいパターンを引っ張ってくることができるようになるので 徐々に自分の使う英語の正確性が上がっていきます。

また、書き写すためにスペルにも気を配るので、単語を正確に覚えることにも役立ちます。

定着力アップ

音読筆写は、目で見て、声に出して、その声を耳で聞き、そして指先を動かすトレーニングです。
たくさんの神経を一度に使うことで定着率を上げられます。

また、できるだけ早く書くという負荷をかけることで、余分なことを考える暇を与えず集中して取り組めるため、さらに定着率アップが期待できます。

単語力・表現力アップ

単語や表現は、文章の中でどのように使われるかを覚えることで、初めて使いこなせるようになります。

音読筆写で文章ごと覚えてしまうことで、覚えたい単語や表現を、使えるレベルまでもっていくことができます。

トレーニング方法

準備するもの

  • ノート・紙
  • 鉛筆・ペン
  • スクリプト(読まれる英文が書き起こされているもの)
  • 日本語訳

トレーニング手順

  1. 紙とスクリプトを用意する。
  2. 定着させたい文を1文選ぶ。長すぎる場合には途中で切ったり、覚える必要のない固有名詞はhe, there, themなど、代名詞に置き換える。
  3. 選んだ1文を間違えないよう、丁寧に書き写す。(下に最低5回同じ文を書くためのスペースを空けておく)
  4. その下に、その文の日本語訳を書き写す。
  5. 見本となる文の下に、5回、思いっきり速く声に出しながら同じ文章を書く。
    その際に、音とスペルを組み合わせて覚えるため、書いているアルファベットの音を発音するように気を付ける。
    ※「They are in the room.」と言い終わってからTheyを書き始めるのではなく、「They」を書きながら、書くスピードに合わせてtheyの発音をします。当然書くスピードの方が遅いので、いくら速く書いていても、読むスピードはゆっくり話している時と同じようになりますが、それで大丈夫です。
  6. 日本語訳を見て、または、顔を上げて、今書いた文がスラスラと言えたら完了。まだ定着が甘いと思ったら、何度か追加で練習してみましょう。

トレーニングのコツ

  • 自分のレベルに合った教材で
    このトレーニングの目的は、英語の構文をたたき込み、自分の中の英語回路(英語の語順)を構築していくことにあります。そのため、自分のレベルに合ったものでトレーニングすることがとても重要です。
    初心者のうちは、それほど複雑でない文章を素材にして、基礎構文をたたき込んでいきましょう。
  • 覚えたい表現、知らない単語を含む文章で
    自分で作れない構文を音読筆写するだけでなく、知らない言い回しや表現を覚えるのにも最適のトレーニングです。覚えたい表現などを含む文章を積極的に音読筆写していくことで、ワンパターンの英語から抜け出すことができます。
  • 思いっ切り速く!
    音読筆写はとにかく速く行いましょう。脳がその文字を書いていると認識しているのであれば、後で何を書いたかわからないぐらいのミミズ文字で大丈夫です。
    制限時間を決めたり、勉強仲間と競争して行うのもおすすめです。
    速く書くことで脳を活性化させ、効果を高めることができます。

おすすめの組み合わせトレーニング

オーバーラッピング・シャドーイング

声に出すトレーニングを行っていると、どうしてもつっかえてしまう部分、すんなり頭に入ってこない文章があるかと思います。

そういう文章を選んで音読筆写を行い、スラスラと言えるようになってからまたオーバーラッピングやシャドーイングを行うと、スピードについていけるようになっているのを感じられます。