canとbe able to

どちらも日本語では「~できる」ですが、その使い方は?

何か違いがあるの?

今回はよく使うこの2つを徹底分解していきます。

”can”の使い方

1. 能力・可能を表すcan

1つ目の用法は、能力・可能です。「~することができる」という意味です。

この場合の「能力・可能」とは、やろうと思えばいつでもできる「身体的能力」だけでなく、状況や場面的に可能である場合を含みます。

1. He can speak English really well.
― 彼は英語をとても上手に話すことができます。
2. I can always make time to see my grandma.
― 私はいつでも祖母に会う時間を作ることができます。

2. 許可を表すcan

canは「~しても良い」という許可を表すこともできます。

1. Can I come in?(許可を求める)
ー 入ってもいいですか。
2. You can park your car over there. (許可を表す)
ー あそこに車を止めて良いですよ。
3. You can’t enter the park after 6 p.m. (不許可・禁止を表す)
ー 6時以降は公園に入ってはいけません。
4. Can I help you?(申し出る)
ー お手伝いしましょうか。
5. Can I have coffee?(依頼する)
ー コーヒーをください。
4や5のように、「~しても良い」から派生して、申し出や依頼の意味で使うことも多くあります。

3. 依頼を表す

3つ目の用法は「~してくれませんか」という依頼です。

1. Can you pass me the salt?
ー 塩を取ってくれませんか?
2. Could you pass me the salt?
ー 塩を取っていただけませんか?

依頼は相手に行動してもらうので、Can you~?の形、許可は自分がすることについて承諾してもらうのでCan I~?の形になります。

そして2のようにcouldを使うと、より丁寧になります。

現在形と過去形の違いを考えてみましょう。
現在を「今の自分の立ち位置」として考えると、過去は当然「今よりも昔へ離れた場所」にあります。
今ここの「現実」である現在形から、過去形を使って距離が離れると、世界の輪郭がぼやけていきます。それによって「仮想・仮定」の世界を作ります。

物事は、直接的にダイナミックに伝えるよりも、少しやんわりした方が丁寧に伝わります。

例えば、人の真ん前に立って「これやって!」と言うのは、子どもかよほど親しい間柄の場合でしょう。たいていは少し離れたところから、物理的距離と関係性の距離をとって「これやってもらえますか?」さらには「やっていただけますか?」と控えめな雰囲気を出したほうが、丁寧さが生まれるのです。

「距離感がでると婉曲的にメッセージを伝えられる」=「丁寧さが生まれる」&「現実から離れて仮定・仮想の話ができる」と覚えておきましょう。

4. 可能性を表す

「~はありうる」という意味を表す場合にもcanを使うことができます。

We can all make mistakes.
ー 私たちは皆間違える可能性があります。

can beで可能性を表す

さらに、「~かもしれない」「~するかもしれない」という、起こる可能性が高い事について”can be”が使われます。

Studying English can be fun.
ー 英語学習は楽しくなり得ます。
It can be confusing.
ー わかりにくいかもしれません。
ただし、can be +過去分詞は、「能力」を表す受動態の可能性もあります。
受動態についてはこの後解説します。

”be able to”の使い方

能力・可能を表すbe able to

be able toとcanの意味が被るのは、能力・可能の意味を表す場合です。

同じ意味で使うときもありますが、canが「能力、可能性を自分の中に持っている」というようなイメージであるのに対して、be able toは「能力を身につけた上で実際に行っている」というようなイメージがあります。

「何かを行う能力がある」ということを現在形で話す場合には、canでもbe able toでも良いのですが、現在形では、色々な用法があって守備範囲が広く、さらに短くて言いやすい”can”が使われることが多いです。

He can speak English. (口語ではほとんどこちら)
He is able to speak English.
ー 彼は英語を話せます。

can だけを使う場合

物や場所が主語の場合

be able toに、「能力を身につけた上で実際に行っている」というイメージがあることをお伝えしましたが、実際に動作を行うことができるのは人です。

物や場所が主語の場合、canを使いましょう。

This TV can connect to the internet.
ー このテレビはインターネットにつながります。
This hotel can accommodate 300 guests.
ー このホテルは300名のお客さんを収容できます。

受動態の場合

「~される」という受動態は、be動詞+過去分詞。そもそもbe動詞が必要な受動態に、be able toを足すとbe able to be 過去分詞・・・、とやたら回りくどい言い方になってしまいます。
すっきりとcanを使いましょう。
These blueberries can be transferred to a container when frozen.
ー これらのブルーベリーは凍ったら容器に移せます。

知覚動詞と一緒に使う場合

see, taste, hear, feel, smellのような五感を表す動詞を使うときには、canが使われることが多いです。
I can hear the birds chirping.
ー 鳥がさえずるのが聞こえます。

たった今の話をするとき

話している瞬間のこと、その場で返答する時は、be able to ではなくcanを使います。
Are you leaving too? I can give you a ride to the station if you want.
ー あなたも帰るんですか?もし良かったら、駅まで送っていきますよ。

be able to だけを使う場合

一度きりの動作はbe able to

一番大きな使い分けは、過去形の肯定文の時です。
「過去のある時点で1回だけ達成したこと」を表す時はbe able toを使います。be able toの持つ「能力を身につけた上で実際に行っている」というイメージが、過去形で「実際に行った」ことにより焦点が当たった感じですね。
I was able to pass the test.
ー 私はその試験に合格することができました。
「やろうと思えばいつでも達成する能力があった」とについてはどちらも使うことができます。
I could swim 100 meters.
I was able to swim 100 meters.
ー 私は100メートル泳ぐことができました。
ただし、couldには能力以外に「可能性」を表す用法もあります。
I could bring John to the next meeting.
ー 次のミーティングにジョンを連れてくることもできます。
状況によって誤解されそうであれば、be able toを使うとよいでしょう。
また、一度きりの事柄について話す場合にも、知覚動詞や、思う、考えるなどの動詞を使う場合、couldを使えます。
We could recognize his voice.
ー 彼の声が分かりました。
I could smell the campfire.
ー たき火の匂いがしました。

過去形の「ある状況で出来なかった」はどちらでもOK

一度だけできたことについてはbe able to を使います。
ただし、出来なかった事については、結局行動していないのですから、どちらを使っても大丈夫です。
I wasn’t able to talk to Suzie at the conference.
I couldn’t talk to Suzie at the conference.
ー 私は会議でスージーに話すことが出来なかった。

助動詞と一緒に

can自体が助動詞なので、他の助動詞を使いたければbe able toを使いましょう。

I should be able to fix that computer.
ー そのコンピューターを直せるはずです。

未来形・完了形の場合

canには未来形がありません。will や be going to と合わせて be able to を使いましょう。

また、完了形も have/had +過去分詞の形で使います。can の過去分詞の形はありませんので、have/had + been able to で使いましょう。

You will be able to speak fluently.
ー あなたはスラスラと話せるようになるでしょう。
I have been able to study English every day.
ー 私は毎日英語を勉強出来ています。

to 不定詞の後

to不定詞の場合、toの後には動詞の原形が続きます。canは助動詞なので、be able toを使いましょう。

I want to be able to play the guitar.
ー 私はギターが弾けるようになりたい。

まとめ

いかがでしたか?

何気なく使っているcanとbe able to。
何となくで使い分けられている方は、すでにそれぞれの用法をたくさん見聞きしたからかもしれません。

今回、なるほど~!と思った方は、是非これから意識してcanとbe able toを聞いたり使ったりしてみましょう。
意識してみると、だんだんと自然な用法が身についていきますよ!