概要
音読とは、文字の通り「声に出して読む」というトレーニングです。
トレーニングの効能
英語回路を作る
「科学的根拠のある英語トレーニング」の記事でも詳しく書きましたが、英語をスムーズに話すためには、脳内に英語回路を作り、英語の語順で処理できるようになる必要があります。
その英語回路を作るために、まずは英語の語順を定着させることが必要です。
声に出して繰り返しトレーニングを行うことで、正しい英文が記憶されていきます。こうして、いくつも正しい英語構文が蓄積されていくことで、英語回路が構築されます。
脳内の記憶をつかさどる領域は前頭前野にありますが、音読をすることで前頭前野が活性化することもわかっており、ただ黙読して覚えようとするよりはるかに効果的なトレーニングだと言えます。
リスニング力・スピーキング力アップ
音読は文字を音声化するトレーニングです。文字と音を正しく結びつけることで、リスニングとスピーキングのクオリティを上げることができます。
今までの学習でカタカナ英語で脳内辞書に登録してしまった英語があると、自然な英語で使われても同じ単語として認識できず聞き取れなかったり、カタカナで発音しても通じなかったり、ということが起きてしまいます。音読によって正しい音声データに上書きすることで、きちんと聞こえる、または通じるようになり、リスニング力やスピーキング力アップにつながります。
トレーニングの手順
準備するもの
- スクリプト(読まれる英文が書き起こされているもの。書き込み用。)
- 鉛筆
- 音源(確認用)
トレーニング方法
- あらかじめ意味と読み方(発音、イントネーション、音の変化など)を確認しておく。
- スクリプトを見ながら、声に出して読む。発音、イントネーションなど、元の音声と同じように読めるよう意識する。
- 読み方が不安な部分、すんなり読めない部分があれば、音源を再生し確認する。
- 仕上げとして、自分が音読している音声を録音し、元の音源との違いを客観的に確認→修正、を行うと、劇的に上達する。
トレーニングのコツ
- 自分のレベルに合った教材で
音読は意味を理解している教材で、声に出しながら内容が思い浮かべられることが基本です。難し過ぎる教材で音読するのはあまり効果が期待できません。
英文を読んで、わからない単語や文法が3割以上あったら、その教材は難しすぎるかもしれません。 - しっかり声に出す
英語を話す時に使う筋肉と日本語を話すときに使う筋肉は違います。
せっかく音読トレーニングを行うのに、口をあまり開かずもごもごと話しているのでは、筋トレにならずもったいない!
音読を行う時は、しっかり声を出せる場所で、普段自分が人と話す時のボリュームでしっかり口を動かしてトレーニングを行いましょう。 - 音声を確認してから音読する
音読を行うときに、音声を確認せず、なんとなくの発音で行うのは厳禁です。間違った発音で定着してしまったら後からの修正も大変なので、音声のガイドなしで音読トレーニングを行う前に、しっかりとお手本を確認しましょう。
おすすめの組み合わせトレーニング
アイ・シャドーイング
上記でもお伝えしましたが、音読の基本は正しい読み方で声にだすことです。読み方がわからないまま、または勘違いしたまま音読トレーニングを行うことがないよう、トレーニング前にはしっかりとお手本の音源を聞き、できればアクセント、イントネーション、音のつながりや脱落などを確認した上で、真似するようにして音読を行いましょう。
音読筆写
音読をしていて、どうもなじみがないと感じる文や表現、つっかえてしまう部分などがあれば、音読筆写で定着させてから再度音読を行うことをおすすめします。
自分の苦手な部分だけピンポイントで音読筆写を行うことで、効率的にトレーニング効果を高めることができます。
速音読
口がまわるようになってきたら、ぜひ速音読に切り替えてみましょう。
スピードを上げてトレーニングを行うことで、自然なスピードの英語も聞き取れるようになっていきます。