概要
リプロダクションとは、復元・再生という意味です。
英文を聞いたら、聞いた1文を覚えて全く同じ様に話すトレーニングです。
1文再生のリプロダクションはリピーティングとも言われます。1文まるごと聞いてから話すため、聞きながら音を拾うシャドーイングとは違い、短期記憶に情報を留めておく必要があります。正確に再現するためには、内容理解だけでなく、文を正しく再生するだけの英語力が求められます。
トレーニングの効能
リスニング力・スピーキング力アップ
聞いたものを正確に繰り返すトレーニングなので、リスニング、スピーキング、どちらにも効果があります。
まず、正しく再生するためには正しく聞き取ることが必要です。1文まるごと再生しようと思うと、内容理解だけでなく細部にも注意して聞くようになります。
アウトプットのためにはまずインプットから。英文を注意深く聞き、ここの前置詞は何か、名詞は複数形になっていないか、などの細かい部分にも気を配ることで、正しく話す能力が鍛えられます。
自分の英語力の把握に
英語を学習する上で、目にする英文にはいくつかレベルがあることを意識したことはあるでしょうか。
大きく分けると次の3つのグループに分けられます。
- 見たり聞いたりしても全くわからない英語
- 見たり聞いたりしたら意味は分かるが、話す、書くに使えない英語
- 話したり書いたりできる英語
リプロダクションをすると、ターゲットの文が2つ目のレベルなのか3つ目のレベルなのか、線引きをすることができます。
自分のレパートリーになかった英語を少しずつ使えるようにしていくことで、英語表現の幅を広げられます。
構文力アップ
文章で話すトレーニングは、正しい英語の語順を身につけるトレーニングになります。
音を拾うことや記憶力のトレーニングにするのではなく、「聞いて理解した内容を正しい文としてアウトプットする」ことに意識を向けてみましょう。意味を意識しながら文章で話すことで、英語の構文力を高めていくことができます。
トレーニングの方法
準備するもの
- 音源
- スクリプト(読まれる英文が書き起こされているもの)
トレーニング手順
- スクリプトを見ないで音源を再生し、1文終わったら一時停止をして、聞いた英文を再現する。
- 難しいようであれば、途中で止めて徐々に長くしていく。
- 1文言い終わったら、スクリプトを見て、正しく言えたか確認する。
- なかなかリプロダクションができない場合には、スクリプトを見ながら音源を再生し音読を行う、音速筆写を行う、など、別のトレーニングで内容理解を深めてから再度挑戦する。
トレーニングのコツ
- 無理せず正確さを大切に
ついていけない場合には、無理にリプロダクションを続けないようにしましょう。
例えば、”I went to a bookstore.” という文があったとします。”a”が聞こえないからと言って、”I went to bookstore.”で練習し続けたら、文法的に間違った英文が定着してしまう可能性があります。
せっかく時間をかけるのです。リプロダクションで自分が話している文に不安を感じたら、スクリプトを見直して練習しましょう。 - 難しいときは段階的に長くする
ついていけないと感じた時の対処法として、少しずつ長くしていくという方法もおすすめです。文の途中で止めて短いリピートを行ってから、徐々に1文丸ごとできるように、段階を追って練習する方法です。
おすすめの組み合わせトレーニング
アイ・シャドーイング
トレーニング手順にのっとって、一度リプロダクションが終わった後に英文を確認し、不安があるようならアイ・シャドーイングで音と文字、そして日本語訳で意味を確認してみましょう。
それぞれの単語がどのように発音されているかをチェックすることで、スクリプトを見ないで聞いた時の理解度が増します。
オーバーラッピング
アイ・シャドーイングだけでリプロダクションを行うことに不安がある場合は、オーバーラッピングで口慣らしをしましょう。
スラスラ読めるようになった後でも、スクリプトを見ないで行うリプロダクションはハードルが上がるので、十分良いトレーニングになります。