概要

速写とは、文章を黙読した後、その文を見ないで書くトレーニングです。1文以上をやる場合は、とりあえず忘れたり間違えたりしてもどんどん次へ進んで、最後まで行ってからチェックします。

トレーニングの効能

自分の英語力の「穴」に気付き正確性アップ

速写の最大の効能は、自分が使える英語、使えない英語の線引きがはっきりとできることです。

読んでいる時は「ふむふむ」と思っていた英語も、いざ書くとなったら前置詞が思い出せなかったり、1語まるごと抜けてしまったり、ということが起こります。この、「読んでわかる英語」を「使える英語」まで引き上げるのが、速写の目的です。

インプットはもちろん大切ですが、実際に使えるようになるにはアウトプットも重要です。
そのアウトプットを効率よくレベルアップさせるには、自分の知らないことをインプットし使って定着させる、間違えて覚えている部分やうろ覚えの部分を正しく使えるようになる、ということが大切。

通常はインプットの中から「なるほど」とか「あれ?」とか、話して通じなかった部分などから気づきを得て定着させていきます。その点、速写は効率よく自分の弱点をあぶり出し、気づきを得ることができるので、基礎力アップには最適です。

ライティング力アップ

「わかる」から「使える」への移行のための速写ですが、実際に書く作業を伴うのでライティング力アップに役立ちます。

日本語でも、パソコンを使うようになって漢字が出てこない・・・ということが良くありますが、英語も同じで、書く作業をしていないと、スペルをなんとなくしか覚えられないということが起こります。

指先の神経を使い脳に刺激を与えつつ、正しいスペルを確認する作業を行うのは、スペルだけでなく文章校正力アップにもつながり、総合的にライティング力を高めることができます。

トレーニング方法

準備するもの

  • ノート・紙
  • 鉛筆・ペン
  • 英文
  • 赤ペン

トレーニング手順

  1. 紙とスクリプトを用意する。英文の難易度が適切であれば、事前に英文や和訳の確認はしない。
  2. 速写を行う英文を選ぶ。しっかりと確認して定着のトレーニングまでやるには、1ページぐらいまでの長さが望ましい。
  3. 英文を1文1回だけ黙読する。この時、暗記しようと思って声に出して何度も読んだり、必要以上にゆっくり読んだりしないこと。読んで理解できるスピードで1回だけ黙読する。
  4. 読み終わったらすぐに、英文を見ないで、今読んだ文を紙に書く。途中忘れた単語があっても確認しない。最後までかけたら、または、思い出せないなら、次の文を同じ様に行う。
  5. 最後の文まで書き終わったら、赤ペンで、間違えた部分、書けなかった部分を書き込んでいく。
  6. 間違えた部分や書けなかった部分は、音読や音読筆写などで定着させる。

トレーニングのコツ

テストではないので、正しい文章を書くことが目的のトレーニングではありません。

もうちょっとで思い出せそう!とか、答えをみた瞬間「わかってたのに!」と思うことも多いかと思いますが、そこでつい黒ペンや鉛筆で書き足してしまうと、せっかく見つけた「穴」が塞がれてしまいます。

ほとんど分かっているけど若干定着が弱い部分を含め、自分が完璧に使いこなせていない英語をより多く見つけることで、次回以降、同じ表現を使いこなせる自分になれます。

間違えた方がお得!と思い、どんどん赤ペンを入れていきましょう。

おすすめの組み合わせトレーニング

音読筆写

書けなかった部分を定着させるのには音読筆写がおすすめです。

声に出しながら書くトレーニングを行うことで、正しい文章を定着させましょう。

音読

若干定着が弱いかな?というレベルでしたら、声に出して読むトレーニングもおすすめです。

黙読よりも脳の色々な領域をつかう音読トレーニングで定着効率を上げましょう。