概要
ノートテイキングは、音源を聞きながら、スクリプトを見ないでキーワードを書き取るトレーニングです。
トレーニングの効能
リスニング対策
一番効果があるのがリスニングです。
聞こえた単語を書き取るトレーニングのため、今まで聞こえない単語でフリーズしたことがある方もいるかと思います。このトレーニングは、「聞こえない音」→「聞こえる音」にフォーカスをする練習になりますので、聞こえない音でフリーズしなくなります。
また、内容語を中心に書き取るため、英語のキーワードを拾う訓練にもなります。
内容語とは、名詞、動詞、形容詞など、文の中で多くの情報を持つ言葉です。
一方、機能語とは、冠詞、be動詞、前置詞など、文法的な意味を持つ言葉で、これらは通常弱く発音されます。
内容語をできるだけたくさん拾うよう訓練をすることで、全体の意味が取れるようになり、リスニング理解力アップにつながります。
スピーキング対策
内容語と機能語の区別がつくようになると、話す際に、機能語を弱めに発音する意識をすることができるようになります。
自分の英語力の穴を見つけられる
英語力アップには、自分が言えないこと、できないことに気付くことが重要です。
ただ講義を聞いていてもなかなか記憶に残らないのに、先生に自ら質問をして教えてもらったことは定着しやすいというのと同じです。
ノートテイキングで「この単語のスペルはなんだっけ」とか、「この単語に聞こえたけど違う単語だった」など、英語力の「穴」に気付いた後、正しいスペルを確認したり、2つの単語の発音の違いを確認したりすることで、定着力が上がります。
人間は忘れるものですので、確認したからといってずっと覚えているわけではありませんが、万が一また同じ単語のスペルを間違えた時に、「この前も間違えた」という記憶がよみがえり、そういったインプットを繰り返すことでだんだんと定着していくのです。
トレーニング方法
準備するもの
- ノート・紙
- 鉛筆・ペン
- スクリプト(読まれる英文が書き起こされているもの)
- 音源
トレーニング手順
- 紙とペンを準備し、音声を再生する。途中で止めずに、できるだけたくさんのキーワードを書き取る。
- 書き取ったキーワードから、どんな話だったか思い出してみる。
- 全く聞き取れないと感じた場合には、1を繰り返す。
- 次のトレーニングに移らない場合は、スクリプトを確認し、答え合わせ。
- 間違っていた部分を意識して、もう一度スクリプトを見ながら音声を聞いてみる。
トレーニングのコツ
- 内容語を書き取る
できるだけ、意味のない機能語(冠詞、be動詞など)ではなく、意味のある内容語(名詞、動詞、形容詞、数字など)を書き取るようにしましょう。 - 固有名詞のスペルは気にしない
人や会社の名前などの固有名詞は書けなくてもOK。ただし、普通の単語のスペルはこのトレーニングを機に覚えましょう。 - できるだけ簡潔に
Notだったら×、数字はスペルでなく英数字を使うなど、早く書ける方法でメモを取りましょう。 - カタカナでもOK
スペルが出てこなくて止まってしまうぐらいなら、最初はカタカナでも大丈夫です。ただし、スペルは自分が聞き取れた音を示します。例えば、LとRを書き間違えたとしたら、聞き分けられていないか、LとRの違いを意識していないか、間違って覚えているか、どれかの可能性があります。スペルを書くことで自分の英語力の「穴」に気付くきっかけも生まれますので、徐々に英語で書けるようにしていきましょう。
おすすめの組み合わせトレーニング
リプロダクション
メモしたキーワードから、聞いた内容を英語で語るトレーニング。インプット→アウトプットのトレーニングになります。
音読トレーニング
ノートテイキングは音読トレーニングの最初のステップとして行い、スクリプトを確認したら実際に声に出して練習しましょう。音読トレーニングを行うことで、聞こえなかった音やすんなり理解できなかった文法や単語を、実際に使えるレベルまで定着させることができます。