概要
シャドーイングは、影（シャドー）のように、音声が聞こえたすぐ後に、全く同じ言葉を繰り返して 言うトレーニングです。
トレーニングの効能
リスニング力アップ
シャドーイングをするためには、正確に音源を聞き取る必要があります。”Red”と言ったのか、”lead”と言ったのか、in, on, atなど、短い前置詞が入っていなかったか、などを注意して聞き取る必要があるため、繰り返して練習することでリスニング力アップにつながります。
また、自分が話せるものは聞き取れるという大原則があります。実際に声に出して練習することで音声の英語に近づきますので、自然と聞く力がついていきます。
発音強化
音源なしで発話練習をしたり、一度全部聞き終わってから音読をしたりするより、聞いたすぐ後に声に出すシャドーイングの方が、直前に聞いた音を再現しやすいというメリットがあります。
発音だけでなく、ナチュラルなイントネーションやアクセントなどを真似するのにも、シャドーイングは有効です。
スピードに慣れる
シャドーイングは音源の英語スピードと同じスピードで話す練習です。自分が会話するペースがゆっくりなために、自分よりも速いスピードで話す英語が速く感じる方は、ナチュラルスピードの英語に慣れる良い訓練になります。
シャドーイングは訓練をすることで段々と正確に音が拾えるようになりますので、話すスピードの向上だけでなく、リスニングで以前速いと感じていたスピードのものも、徐々に抵抗なく聞けるようになっていきます。
トレーニング方法
準備するもの
- 音源
- スクリプト（読まれる英文が書き起こされているもの）
トレーニング手順
- 事前準備として、英文の意味の確認、音の確認（アイシャドーイング、オーバーラッピング等）を済ませ、ある程度スラスラ読めるように練習しておく。
- スクリプトを見ないで音源を再生し、音声が聞こえたらすぐに追いかけて声にだして読む。
- 難しいと感じる箇所、つっかえる箇所があれば、スクリプトを確認する。
必要に応じて、オーバーラッピングを何度か繰り返す。 - すらすらとシャドーイングができるようになるまで繰り返す。
トレーニングのコツ
- 影のように聞こえたら間髪入れず繰り返す
シャドーイングでは、音源のほんのすぐ後をついていきましょう。聞こえたと思ったらすぐに声を出すぐらいでかぶせていきます。１秒も待たないぐらいの感覚です。テキストを見ないで行うので、１単語聞いてからリピートしていては遅すぎます。 - シャドーイング前の準備を行う
シャドーイングをいきなり行うのではなく、あらかじめ単語や文の意味を確認し、スクリプトを見ながらある程度音源について音読できるようにしておくのが、英語力アップの秘訣。
トレーニングを繰り返すと、意味が分からなくても完璧に音を真似できるようになります。ただし、目的はただ音を拾って真似ることではありません。自分が発している英語の意味を捉えられるような状態でシャドーイングを行うことで、リスニング力、発音、構文など、総合的な英語力アップが期待できます。 - イヤフォンを使う
シャドーイングは、自分の声と音源のタイミングがずれるトレーニングです。自分の声が邪魔して音源が正確に聞き取れないのを防ぐため、イヤフォンで聞きながらのトレーニングをおすすめします。
おすすめの組み合わせトレーニング
アイ・シャドーイング
まずは、どんな英文なのか、どのように読まれるのかを確認するため、アイ・シャドーイングがおすすめ。正確な発音、イントネーションなどの情報を拾い、準備を行いましょう。
オーバーラッピング
シャドーイング前に、スクリプトを見ながら声に出して読む オーバーラッピングである程度口慣らしを行いましょう。
このトレーニングなしでいきなりシャドーイングを行うと、複数のｓが抜けるなど聞こえにくい音を発音しなかったり、勘違いして違う発音でトレーニングを行ってしまう危険があります。
