概要
速音読は、文字通り高速で音読をするトレーニングです。
高速で音読することにより、スピードに対する耐性を一気に高めることができます。
ランニングのトレーニングでインターバル走というのがあります。ゆっくり走る、速く走る、を繰り返すことで、心肺機能を高めたり、スピードを上げたりするトレーニング法です。
速音読も同じように、普通のスピードの音読と組み合わせることで、トレーニング効果を高めることができるのです。
トレーニングの効能
リスニング力アップ
元の音源のスピードより速く音読するトレーニングを行うことで、再度同じ音源を聞いた時に、「さっきよりゆっくり話している」かのような錯覚を覚えます。
これによって、初めは呪文のような音のかたまりに聞こえていた英語も、単語一つ一つがクリアに聞こえるようになります。
自分が話せるスピードのものは聞き取れます。
自分が話すスピードを上げることで、はっきりと聞こえる英語のスピードが徐々に上がっていきます。
定着しやすくなる
声を出して読むトレーニング全てにいえることですが、声に出すことで脳の前頭前野が活性化されます。
この領域は記憶をつかさどっており、筋トレのように使えば使うほど鍛えられることがわかっています。
五感をたくさん使うことで定着率は上がりますが、脳を鍛えて徐々に覚えやすくなるという意味でも音読はとても効果的です。
また、通常であれば「何か書きながら別のことをふと考えてしまう」など、単調なトレーニングであるほど注意が散漫になりがちです。速音読で「思いっきり速く読む」ことで、一時的に集中力を高め、定着しやすくなります。
発音対策に
速く読むためは、つなげるべき音をつなげる、読まない音は読まない、など、ナチュラルスピードで話すために必要な音の変化を実際に再現する必要があります。(そうしないと全然間に合わないからです。)
発音を意識して何度も速音読をすると、ナチュラルな音の変化をスムーズに使う練習になります。
トレーニング方法
準備するもの
- スクリプト(読まれる英文が書き起こされているもの。書き込み用。)
- 鉛筆
- 音源(確認用)
トレーニング手順
- あらかじめ意味と読み方(発音、イントネーション、音の変化など)を確認し、少なくともオーバーラッピング(音源に合わせて同じスピードで読む)ができるぐらい練習しておく。
- スクリプトを見ながら、思いっきり速く声に出して読む。息継ぎしないで1文(もしくはそれ以上)を一息で読むように、元の音源よりも速いスピードで読む。発音、音のつながりなどは、速く読んだからと言っておろそかにしないようにする。
- 練習する英文の長さによって、2周~5周ぐらい繰り返す。
- 仕上げとして、元の音源をスクリプトなしで聞き、リスニングの理解度を確認してみる。
トレーニングのコツ
- 自分のレベルに合った教材で
音読と同じでが、難しすぎる、または簡単すぎる教材でのトレーニングは効果が上がりにくいものです。少なくとも読んだら7~8割は理解できる教材を使い、さらに速音読前にある程度スラスラ読めるまで練習しておきましょう。
- シャドーイングやオーバーラッピングでスピードについていけない時に
基本は、スラスラ読めるようになってから行う速音読ですが、シャドーイングなどでスピードについていけない時に行うと、ブースターとして働きます。
速音読を数回行った後でもう一度シャドーイングやオーバーラッピングに戻ると、スピードについていきやすくなっているはずです。
おすすめの組み合わせトレーニング
オーバーラッピング
おすすめ、というより、速音読の前に必須で行うトレーニングです。
まずはしっかりと普通のスピードで正しく音読できるようにしておかないと、せっかく速く読めるようになっても、ナチュラル英語の音の変化に対応できなかったり、正しい発音の英語が聞き取れなかったりしてしまいます。
シャドーイング
速音読とシャドーイングを交互に行うと、速音読後のシャドーイングが徐々に楽に感じるようになるはずです。
トレーニングの効果を実感でき、モチベーションが上がるので、おすすめです。