目標がクリアで時間も見つけられるあなたに必要なもう一つの要素。
それは、モチベーション(やる気・動機)です。

やるぞ!と思い立って始めてみても三日坊主で尻すぼみ。気が付いたら英語の本がほこりをかぶって・・・、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私も、これまでの人生、ずっと三日坊主との戦いです。

最初のやる気レベルが100%だとすると、そこから徐々にモチベーションは低下し続けます。何もしないとモチベーションがなくなってしまうのは自然のことなので、自分を責めるのはやめましょう!

ここでは、モチベーションをアップさせる3つの秘訣を紹介します。

その1:目標・理由を再確認

「やるぞ~!」と始めた時は誰でもやる気があるはず。
この時のモチベーションにつながる目標を再確認することで、もう一度スイッチを入れ直すことができます。

なぜ英語を始めようと思ったのか。何を目指しているのか。

目標、目的と、英語を学ぶ理由を定期的に思い出すようにしましょう。

そして、その目標を達成したら、どんな未来が待っているのかも、できるだけ具体的に想像して、目標にからめておくことをお勧めします。

「英語ができるようになったら、留学してたくさんの友達を作り、視野をひろげる」

「英語をマスターして、英語でスラスラとプレゼンができるようになり、海外の案件をたくさん勝ち取り会社で認められて仕事が楽しくなる」

「英語で良い点が取れるようになり、志望校に合格して、皆に祝福され充実した大学生活を送る」

できるだけ具体的にイメージし、そこに、ワクワクする気持ちだったり、嬉しい気持ちだったり、達成感だったり、何らかのポジティブな感情が伴うと、文字だった目標が、情景と感情を伴って活き活きとしてきます。そうすることで、モチベーションに働きかける力が何倍にも増すはずです。

その2:「上達実感がない」を克服

上達実感がない場合、2つの状況が考えられます。

「上達しているのに実感できていない」場合

私も、昔はよく上ばかりみて、そのレベルに達しない自分にがっかりしていました。初心者のうちは、なかなか自分のレベルを客観的に判断することが難しいものです。

教えるようになって、生徒さんの中にも同じように全然上達しないと嘆く方が多くいらっしゃいました。ただ、講師という立場で入学時のレベルと比較してみると、嘆かれている皆さんにもそれぞれ上達したポイントがあるものです。

例えば、

「最初は簡単な単語を選んでゆっくりわかりやすく話さないと理解してもらえなかったのに、今はスピードを上げても会話になる。」

「最初はカタカナ発音だったのに、今は l と r の音を使い分けられている」

「最初は目を合わせず、自信なさそうにしていたのに、今は堂々とアイコンタクトを取って会話している」

などなど。

英語力と言っても判断ポイントは色々あります。話す聞くだけでなく、使う語彙や文法だったり、正確性だったり、コミュニケーション力だったり・・・。

そういったところを総合的に判断してくれる師がいるのであれば、ぜひスタート地点のレベルを共有してもらいましょう。そして定期的に現在地の確認をすることをおすすめします。

ただ、学習者の立場だとなかなか明確に変化を実感できないかもしれません。

そこで、上達実感を得るための一番簡単な方法は、「スタート時のレベルを視覚化して記録に残しておく」ことです。

例えばTOEICのL&RテストやS&Wテストのように、現在の実力が点数化されるようなものを最初に受けておくと、スタート地点からの上達を感じやすいです。スタートレベルの記録としては、合否だけがでるテストではなく、点数が出るものを選ぶようにしましょう。
もし、テストにお金をかけたくないとか、試験の日程が先過ぎる、などがあれば、スコア換算表がついているTOEICテストの模擬試験の本を購入し、各セクションの正答数とともに、換算スコアを記録しておきましょう。

※TOEICテストは正答数×点数ではなく、相対評価で点数が算出されます。テストによって全問正解でなくても満点の990点を取ることが可能です。

「本当にそれほど上達していない」場合

上達は途中から階段状になっています。停滞期で同じレベルで前へ進んでいる場合は、なかなか上達実感が感じられません。前へ進んでいるとはいえ、上へ進む感覚がない時期には、モチベーションが下がりがちです。
今までに大きく上達を実感した場合には、余計にもどかしさを感じるかもしれません。

それを回避するためにおすすめなのが、「学習ログ」をつけること。

一日に何分英語勉強をしたか、何を勉強したか、どんな形であれ記録をつけていくと、後ろを振り返った時に、今まで通ってきた距離を確認し、足踏みしているわけではないことを実感できます。

逆に、ログをつけてみて、ほとんど勉強に時間を割いていないことがわかれば、伸びていないことにも納得できます。今後、もっと英語に時間を割こうと思えるはずです。

そして、万が一、時間をすごく使っているにもかかわらず停滞期間が長いようであれば、今行っている学習が自分のレベルに合っているのかを見直してみましょう。

例えば、初心者のみなさんが英語の勉強のため、CNNのニュースを聞き続けたとしたらどうでしょうか。大半は速すぎたり単語や文法が難しくて聞き取れず、たまに知った単語が耳に入ってきたとしても、全体の意味を捉えるのは難しい・・・という状態。
何十時間を費やしたからといって英語力がCNNレベルになるでしょうか。

英語学習にはそれぞれのレベルに応じた最適な学習方法があります。

例えば初心者であれば、文法や単語といった基礎固めをすること、中級レベルであれば、トレーニングを取り入れて理解している知識の定着を図ること、上級レベルであれば、多聴多読を取り入れ、生の英語にたくさん触れること。

自分のレベルに合わない勉強法を続けていても、思ったような効果は見込めません。

基礎文法を理解していない初心者の方がいくらネイティブの英語を聞き流したとしても、それはただのBGMでしかなく、自分の血肉にはならないということなのです。

停滞期があまりにも長く続くときは、自分の今行っている学習法を変えてみる機会です。

その3:「行動目標」を立てる

最後は、モチベーションコントロールというより、モチベーションに振り回されないために、というところで、学習目標と合わせて立てていただきたい行動目標についてお話します。

「TOEICで700点を取る」というのが長期の学習目標だとしたら、「毎日音読を10分行う」というのが行動目標です。

何事も三日坊主で終わってしまう方なら、「とりあえず1週間続けて勉強する」を目標に据えて、達成したら次の目標、という形で、行動目標の短期目標も設定してステップアップしていくのも良いでしょう。

目的地が決まっていて、やるべきことがわかっていても、実際に行動しないことには何も変化がありません。行動目標を達成できてこそ、目標達成が現実となるのです。

モチベーションだけで毎日の学習を継続するのはなかなか大変です。なぜなら、モチベーションは時間とともに自然に低下するからです。その度に、目標の再確認、上達を実感したり、時には楽しいと思える勉強方法を取り入れたり、外国人の友人を作ったり、など、モチベーションが上がるきっかけに触れ続けて、やっと続けられるというのが普通です。

ただし、習慣となると話は別です。

習慣にはモチベーションの有り無しは関係ありません。英語を習慣にできれば、結果は自然とついてきます。

筋トレやジョギングが習慣となっている方は、走らない、トレーニングしないのが逆に気持ち悪く感じ、雨の日でもジョギングに出かけたり、疲れている日にも筋トレをしたりしているのではないでしょうか。そういう方にとって、筋トレやジョギングは生活の一部であり、欠かすことのできないものとなっているのです。

同じ様に、英語を生活の一部として取り込むことができれば、モチベーションのアップダウンに振り回されることなく、淡々と英語学習を続けることができます。

まとめ

何を続けるにしても、最大のチャレンジはモチベーションコントロールです。

モチベーションダウン期をうまく乗り切って学習を続けたり、習慣化したりして、習得まで頑張りましょう。

習慣化するための科学的に証明された方法、if-thenプランニングを紹介した記事もあわせてお読みください。